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ちょうさんのワークショップ、11/20今福亭


ちょうさんのおうち調えワークショップを11/20に今福亭で行いました。


まず今回の今福亭ワークショップの告知文の一部をご紹介します


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うちの庭は日当たりが悪く、井戸周りはジメジメしていて、入口前も蚊が多く発生するので、このジメジメをどうにかしたいということで、ビオトープを作り始めました。


引っ込み思案な今福は、当初から前回のワークショップまで、ビオトープとはなんなのかイマイチよくわからないということを言えずにいたので、今回ビオトープというものを、自分なりにいろいろ調べてみることにしました。

調べていくうちに、いろいろなことがわかってきたので、ちょうさんの許可を得て、僕が調べたビオトープにまつわる知識を発表する時間を設けていただきました。


ビオトープについて、参加していただいたみなさまに発表させていいただき、みなさまのご意見に案内人のちょうさんの見立てを掛け合わせて共有した状態で作業に取り組みたいという想いにいたったのです。


「作業は楽しいけど、何してるのかわからない」という状態だと、大きな企業に雇われてその仕事の意義が見つからないまま働いているのと似ているんじゃないか。


拙い学習成果発表になるかもしれませんが、参加していただける方々には、ぜひ自分が行っている作業について誇りを持っていただけるようにしていきたいと思っています。

ちょうさんは「先生」と呼ばれることを嫌います。自然について、指導をしているんじゃなくて、案内をしているという気持ちで取り組まれています。よくわからなければどんどんちょうさんに案内してもらって、自身の作業の意義を感じ取ってください。


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「やってる時はよくわからなかったけれど、終わってみたらすっきりした空間ができててうれしかった」

私はワークショップでこの感想を聞くたびに、なにか釈然としないものを感じでいました。

本当にちょうさんの伝えたいことがみんなに伝わってるんだろうか。もちろん、すっきりした空間を見てうれしかったっていう感想は私も素直にうれしいと思うのです。

しかし、なんのためにやっているのかを少しでも自らの感覚で感じながらやるのと、経験豊富な人が言ってるからそうなんだろうと思いながらやるのでは、内側から湧き出る意欲が変わってきます。両方とも意欲は出るとは思いますが、より自分事として能動的に取り組んでいく楽しさを共有してもらいたい。そして、その経験を自分のうちに持ち帰ってできることをしてほしいのです。


今回は現代におけるビオトープの定義を調べて発表してみました。私が発表したビオトープの定義を1つの基軸として、それを元に、庭に池を作る意味を(ちょうさんに一方的に教えてもらうのではなく)みなさんに自ら考えてほしかったからです。


うちの庭は蚊が多い時には首の後ろなど肌が出ている箇所に10匹ぐらいずついっぺんに止まったりします。大げさではありません。これを減らしたいのですが、なんのデザインもされていない穴に水が溜まっているだけだとボウフラが出てきて蚊が湧きます。なので、水を溜めておくことにはやはり抵抗があります。


それでもちょうさんは、「水を溜めておいた方がいい」と言います。


水を溜めておくメリットとはなんなのでしょうか。ちょうさんに質問をしたり、他の参加者の方々の意見を聞いていくうちに、少しずつ見えてきたものがありました。


まず風が生まれる原理


風はどこかから吹いてくるものだけでなく、その場で発生するものがあるということ。


水面に光が当たると反射して水面付近上の大気が温められ膨張して気圧が上がります。

(例えば、空洞の竹を火にかけると、空洞の中の空気が膨張して破裂しますよね。空洞の中の大気の圧力が増えて竹の幹の壁に猛烈な圧力がかかるからです。)

水面上の大気と、その周りの大気の間に気圧の差が生まれ、風が流れます。

ちょうさんが言う「光が当たると風が生まれる」というのは、こういう現象のことを言います。


もう一つ風が発生する原理として挙げられるのが水蒸気です。

水という液体の分子と水蒸気という気体の分子の違いは、分子同士のつながりにあります。

つながり合っているのが液体、バラバラに飛び交っているのが気体です。水に熱などのなにがしかのエネルギーが加わると、つながりが壊れて水蒸気になるという仕組みです。沸騰ではなく蒸発という現象です。

私はこれを調べるまで、100℃に沸騰してないのに、なんで水が気体に変わるのか不思議でした。理科でそう習ったのになんでだろうと。100℃じゃないのに温かい飲み物などからは湯気が出るのは、分子同士のつながりが壊れるからなのですね。

さらに、液体が気体に変わる蒸発という現象には、気化熱という熱が必要となります。蒸発という現象は、周囲の大気中の熱を奪って起こるので、熱を奪われたその周囲の大気は冷えていきます。

(昔、母親などから「お風呂上がりにタオルで拭かないでいると風引くよ」と言われたのは、この気化熱が原因なのですね)

気化熱により気温が下がれば、やはりそこにも気圧の変化が生まれます。気圧が変化すれば大気が動き、風が流れます。


(ちなみに暑い日にする打ち水は、この原理を使って周囲を涼しくしたり風を生んだりする効果があるのです。)

このように、ある一部の空間の気温が変化したり、なにがしかのエネルギーが加わったりすると、気圧に変化が生まれ大気に動きが生まれ風が流れるという仕組みになっているのです。


まとめると

その気圧の変化が生まれやすいのが、

「光が当たる水面上」

ということになります。


ここに至って初めて、

「ああ、だからちゃんと光が入るようにデザインされた池があると風が生まれやすくなって蚊も減るんだな」

と理解することができました。


そうすることで、どういうデザインにすればいいかが素人の自分でも理解した状態で作業をすることができるので

「単調な作業」が

「自分なりに工夫できる調え」

に変わっていき、ちょうさんが伝えたいことが伝わるようになると思うのです。

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